ゲンロンβ49|編集長=東浩紀

2020年5月25日[月]発行

  • 1|小松理虔 当事者から共事者へ 第5回 「真実」が開く共事の回路 #37
    胸が苦しくなるほどの他者の悲しみが、演劇を通すことでなぜ共感や「共事」に変わるのか。フィクションがつくる「真実」とは。柳美里『町の形見』の戯曲を読みながら小名浜の町を歩き、小松さんが考えます。
  • 2|春木晶子 北のセーフイメージ(1) 病と支配のアイヌ絵史  #37
    太古から現代まで、絵画を通じて疫病退散が祈られてきたと春木さんは指摘します。盛んに描かれた疫病とアイヌは、なぜ江戸時代の人々に「安心」をもたらしたのか。
  • 3|藤城嘘 五反田アトリエから36 コロナ禍から振り返るVOCA展  #37
    参加していたVOCA展が開催期間途中で中止になってしまった藤城さん。ヒエロニムス・ボスの作品をモチーフにした自分の作品が、あとになってウイルスを描いたように見えてきたといいます。
  • 4|松下隆志 つながりロシア 第12回 文学の「死」の後の文学の運命  #37
    ロシアにおけるポストモダニズムの研究やロシア文学の翻訳に携わってきた松下さんが、ソローキンの最新長編を読み解きます。文学の死を宣言した作家が、物語に回帰した意味とは。
  • 5|星野博美 世界は五反田から始まった 第17回 赤い星  #37
    革命が起きていれば五反田は聖地になっていたという星野さん。小林多喜二、宮本百合子を介して描かれてきた五反田の無産者たちの闘いは、悲劇として幕を閉じます。
  • 6|谷頭和希(ゲンロン編集部) 自由への運動は「他者」との出会いからはじまる 外山恒一+東浩紀イベントレポート  #37
    『ゲンロンα』のオープンを記念して、東浩紀が登壇したイベントのレポート記事を転載します。革命家・外山恒一と語る、コロナ禍のもとで自由を獲得するための方法とは。

表紙写真:藤城嘘の作品《Lounge of earthly delights / Oruyankee[☆1] aux Enfers》(2019)。ヒエロニムス・ボスの『快楽の園』を題材とし、モチーフを藤城の描くキャラクター的な意匠に置き換えている。同作が出展された「VOCA展2020」は、コロナウイルスの感染拡大防止のため会期短縮を余儀なくされた。撮影=上野則宏

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