ゲンロンβ57|編集長=東浩紀

2021年1月29日[金]発行

  • 1|【新連載】本田晃子「革命と住宅」第1回 ドム・コムーナ──社会主義的住まいの実験(前篇) #37
    『亡霊建築論』の本田晃子さんによる新連載です。社会主義の理想を実現しようとしたソ連は、旧来の「家(ホーム)」から人々を解放しようとしていた。その目的のためにつくられた、ソ連型の集合住宅を論じます。
  • 2|松山洋平「イスラームななめ読み」第3回 大日本帝国の汎イスラム主義者 #37
    多磨霊園の一角に眠る汎イスラム主義者アブデュルレシト・イブラヒム。彼の遠大な理想と、彼を利用しようとした大日本帝国時代のアジア主義者たちの企図から、日本とイスラム教の関係史をふり返ります。
  • 3|小松理虔「当事者から共事者へ」第9回 メディアと共事 #37
    当事者性を強く押し出す報道が、その出来事をかえって他人事と感じさせてしまうことに気づいた小松さん。「食」などの「ふまじめ」な欲求を取り上げる、当事者性からずれた報道の重要さを語ります。
  • 4|さやわか「愛について──符合の現代文化論」第7回 符合のショートサーキット(2) #37
    サブカルチャーから愛について考える連載。記号と意味の短絡化を電気回路のショートに見立てるさやわかさん。ショートを防止するブレーカーとなるものを、一九世紀の風刺画家テプフェールや東浩紀のテキストに見出します。
  • 5|星野博美「世界は五反田から始まった」第25回 焼け野原(2) #37
    五反田の土地の記憶を巡る星野さんの人気連載。前回に引き続き、戦時中、断続的に行われた東京の空襲とその記録を追っていきます。幾度も東京を襲った米軍機。被害を受けた土地に残された記憶とは。
  • 6|プラープダー・ユン「ベースメント・ムーン」第3回 #37
    反体制運動を殲滅すべくつくられた、文化芸術に特化した写識。そのひとつは虚人ヤーニンに埋めこまれた。エンジニアのカマラと出会ったヤーニンだが、カマラは想定外の行動に出る。タイ長編SFの連載第3回です。

表紙写真:モスクワ、トゥーリスカヤ駅のそばにある14階建てのドム・コムーナ。1970年代から計画され、1986年に完成。全長400mの巨大な建物で、住居数は980戸におよぶ。原発の建設を担当するソ連の「中規模機械製作省」の職員のドム・コムーナとして作られたため、「原子力作業員の家」の通称をもつ。また、その外観から「船の家」「タイタニック」などとも呼ばれている。現在も住宅として使われている。撮影=上田洋子

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