つながりロシア(16)「カラマーゾフの子供たち」、聖地ヴァラームへ行く|齋須直人

初出:2021年7月21日刊行『ゲンロンβ63』

 今年2021年はドストエフスキー生誕200年に当たる年であり、ロシアはもちろん、日本でも関連するイベントが多数行われている。私は2021年2月半ばから5月初めまでロシア第二の都市サンクト・ペテルブルクに滞在し、ロシアでのドストエフスキーイベントにいくつか参加した。その中でも、『カラマーゾフの子供たち』というドキュメンタリー映画に撮影されるために、フィンランドとの国境近く、ラドガ湖にある聖地ヴァラーム島に滞在したときの体験について記したい【図1】。
 

【図1】ヴァラーム島の位置
 

 ヴァラームは、ソロフキ(ロシア正教の古儀式派の反乱の拠点となり、ソ連時代には強制収容所として使われた)やオプチナ(『カラマーゾフの兄弟』の修道院のモデル)などと並ぶロシアの有名な聖地だ。あのプーチン大統領が毎年訪れており、2019年にはベラルーシの大統領ルカシェンコを伴って訪問した地でもある。私は、ドストエフスキーとロシア正教の関係について研究しており、ロシアの教会や修道院について知る必要があることから、それらを可能な限り見てきたが、ヴァラームの自然と修道院はその中でも最も美しいものの一つである【図2】【図3】。
 

【図2】白夜のヴァラーム修道院 撮影=ヴァラーム修道院の修道士たち Братья Валаамского монастыря
 

【図3】日没とヴァラームの修道士
 

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1986年東京都生まれ。専門はロシア文学、ロシア宗教思想史、ドストエフスキー。現在、日本学術振興会特別研究員PD(早稲田大学文学学術院)、桜美林大学、慶應義塾大学非常勤講師。京都大学経済学部経済学科卒業。京都大学文学研究科スラブ語学スラブ文学専修博士課程単位取得満期退学。ゲルツェン記念ロシア国立教育大学文学部ロシア文学科Ph.Dコース(アスピラントゥーラ)修了。

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