〈ゲンロン新芸術校〉第6期 最終成果展Ⅰ『0地点から向かいます―「現代美術の再発明」の再設定』2月27日(土)より開催

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ゲンロンα 2021年2月24日 配信


【展示概要】

2021年2月27日(土)から3月1日(月)まで、株式会社ゲンロン主催のアートスクール「ゲンロン新芸術校」第6期の最終成果展I『0地点から向かいます―「現代美術の再発明」の再設定』を開催いたします。2月27日は講評会開催のため、一般公開は2月28日(日)、3月1日(月)の2日間となります。会期が短くなっておりますのでご注意ください。
これまで新芸術校では、2020年9月から2020年12月にかけて毎月1回、受講生によるグループ展を開催してきました。グループ展では、これまでの主任講師制から、集団指導制に移行し、堀浩哉、飴屋法水、田中功起、梅津庸一各氏、そして新芸術校の卒業生で活躍中の弓指寛治、和田唯奈、磯村暖、青木美紅各氏の多様な美術観をもつ8名のもと、新しいスタイルの指導を実践してまいりました。グループ展では、それぞれ椹木野衣氏、やなぎみわ氏、飴屋法水氏、田中功起氏をゲスト講師にお招きし、講評会を行いました。本展は、講評会によって各展から選抜された優秀者8名と、敗者復活にて選抜された6名からなる選抜成果展となります。会場は東京、五反田の「ゲンロンカフェ」および「ゲンロン五反田アトリエ」となります。一年を通して行われた授業の集大成ですので、是非お越しください。


また、同時開催として、成果展II『MEGURO NO SANMA』が目黒にあるギャラリー「rusu」にて開催されます。こちらは、惜しくも講評会では選抜に残らなかったものの、実力は拮抗する作家たちによるグループ展となります。是非併せて足をお運びください。


講評会の審査員は「美術手帖」総編集長である岩渕貞哉氏、ワタリウム美術館
CEOの和多利浩一氏、アーティストの福原志保氏、作家の柳美里氏、担当講師である美術家の堀浩哉氏、ゲンロン創業者の東浩紀の6名です。
講評会の模様はニコニコ生放送のゲンロン完全中継チャンネルおよびYouTubeにて無料生中継いたします。



【ゲンロン新芸術校 第6期 最終成果展I】
『0地点から向かいます―「現代美術の再発明」の再設定』


出展者:赤西千夏/鈴木祥平/田邊恵利子/ながとさき/中平志穂/HIRA/藤江愛/伏木健太/堀江理人/松岡湧紀/宮野祐/村井智/メカラウロ子
キュレーション:金盛郁子(CL課程)/中田文(CL課程)
デザイン:宮野祐
担当講師:堀浩哉、和田唯奈、磯村暖、青木美紅

会期:2021年2月27日(土)〜3月1日(月)
※2月27日(土)は講評会のため終日休廊です。ご注意ください。
開場時間:13:00-20:00
会場:
ゲンロンカフェ 〒141-0031 東京都品川区西五反田 1-11-9 司ビル 6F (Tel: 03-5719-6821)
ゲンロン五反田アトリエ 〒141-0022 東京都品川区東五反田3-17-4 糟谷ビル2F
※マスクを着用の上ご来場ください。
※入り口では手指の消毒、検温にご協力ください。
※混雑時は入場制限を行うことがあります。ご了承ください。

講評会日時:2021年2月27日(土) 17:30〜19:00
※ニコニコ生放送/Youtubeにて中継をいたします。
※会場参加は受講生のみとなります。
審査員:岩渕貞哉/福原志保/柳美里/和多利浩一/堀浩哉/東浩紀
最終講評会詳細ページ:https://genron-cafe.jp/event/20210227/
最終講評会放送URL
Youube:https://youtu.be/tm-xkhgeBfE
ニコニコ生放送:https://live.nicovideo.jp/watch/lv330623781
  【展覧会ステートメント】

『0地点から向かいます―「現代美術の再発明」の再設定』
 2020年7月に予定されていた東京オリンピックは、思いも掛けない出来事によって延期となった。本来なら私たちは、今頃オリンピック以後の世界で過ごしていたはずである。しかし、コロナ禍がその世界線への接続を断った。
 それまで想像していた未来とはまるで異なる日々が訪れ、これまで考える必要のなかったあらゆる生活様式の再設定を余儀なくされた。
 しかし、私たちは、元より自らを再設定するためにここに集ったはずだ。何者でもなかった自身をアーティストとして再設定する者、自身の問題を、あるいは制作行為を再設定する者......。自分自身のあり方を確かめるように、各々の理由で再設定を必要としていたのだ。
思えば、新芸術校第6期のステートメントにはこう書かれていた。
 思い出してほしい。そもそも現代美術とは、そんなくだらないゲームの外に出る自由を行使することから、はじまったのではなかったか。そして新芸術校は、出口のない分断のゲームから脱出し、現代美術を再発明するための場だったのである。(*1)    いま私たちは、そんなくだらないゲームになろうとしている現代美術から脱出するために、自分たち自身の制作行為の営みそのものから捉え直し、再設定するべきなのではないだろうか。
 日本オリンピック委員会理事の山口香氏は、スポーツ界がトップレベルばかりに価値をおき、結果として勝利至上主義や体罰を生む土壌となったことを指摘した。そして、もし歌を「口ずさむ」ようなスポーツの楽しみ方がもっと根付いていたならば、オリンピックを勝敗の利益のためだけでなく、スポーツそのものを自分ごととして考えてくれたかもしれないと述べている(*2)。
「口ずさむ」行為は、私たちの日々の中にも浸透し、アスリートであるとか、アーティストであるとか関係なく、存在している。なぜか心を強く惹き付けられ、なんとなく身体が動いてしまう行為......。紙にペンを走らせる行為、糸を編む行為、任意の場所まで歩き続ける行為、人によって様々である。
 その営みには、生活と地続きであるがゆえの揺るぎない初期衝動があるはずだ。それこそが、私たち自身が再び行き着いてしまう原点である。そして、思い掛けない世界の再設定を求められたとしても、決して変わらぬ営みだと考える。
 その営みはいつまでも続けることが可能だ。しかし真面目に取り組むほど袋小路に入ってしまい、成果は目に見えず、有用性と普遍性の狭間で苛まれることだろう。その狭間の先で目的地に行き着くことは、決してない。だが、重要なのは目的地に辿り着くことではなく、むしろその間を往来することの方ではないだろうか。
 普遍的な営みを続けること、同時に有用性を求めてしまうこと。その狭間で往来し続ける私たちは、やがて苛まれ、息詰まっていくだろう。そんなとき、日課や日常の地続きである「口ずさむ」ような営みが、私たちに再び立ち還るべき場所であることを思い出させてくれると信じたい。誰しも、この場所から歩んで来たのだから。
 私たちはその場所を「0(ゼロ)地点」と再設定する。この先たとえどのようなことが起ころうとも、いつでもここに立ち還り、そして再び、何度でも出発できるために。
 

堀江理人(通常課程) 鈴木祥平(通常課程) 金盛郁子(CL 課程)

  (*1)ゲンロン新芸術校第6期のページに掲載されたステートメント『現代美術の再発明』から抜粋。 (*2)朝日新聞2021年1月26日朝刊、日本オリンピック委員会理事の山口香氏へのインタビューより。(https://www.asahi.com/articles/ASP1R5V6YP1RUTQP016.html

  【関連展覧会情報】 〈ゲンロン新芸術校〉第6期 最終成果展ⅠⅠ『MEGURO NO SANMA』 会場:rusu(東京都目黒区下目黒3-4-9) 会期:2021年2月27日(土)-3月1日(月) ※2月27日(土)は講評会のため終日休廊です。ご注意ください。 Twitter:https://twitter.com/6_sanma_rusu   school_logo_large2

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