【 #ゲンロン友の声】ヒラリー・クリントンはなぜ敗北したのですか?

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 ゲンロン4を楽しみにしながら待っている友の会会員です。また長々しい質問してしまって申し訳ないのですが、お答えいただけるとうれしいいです。もうかなり時期を外してしまっていて、今更と思われてしまうかもしれません。お聴きしたいのは、ヒラリー・クリントンの負けた理由です。私は、国際政治学者の三浦瑠麗さんが主張しておられた女性政治家によくあるフォロワーの不在が原因なのではないかと考えています。ある種女性のために活動してきた彼女が、同じ女性によって「NO」を突きつけられたのだとすれば、この無力感はすさまじいと思ってしまいます。トランプが勝利した理由は、至る所で議論されているのですが、ヒラリーの負けた理由が気になって質問しました。(埼玉県, 20代男性, 友の会会員)
 いやあ、わかりません。ぼく自身、クリントンがなぜあれほど嫌われたのかについては不思議に思っています。ただ、これは単純に女性の社会進出の失敗といった問題ではないのではないか。だってみんなトランプがおそろしくだめなことは知っていた。それでもトランプが勝った。そこまで嫌悪されるのだとすれば、そこには、女性への反感とかエスタブリッシュメントへの反感とかに還元されない、特異な原因があるように思います。でもぼくにはその正体がわからない。だれか教えてください。(東浩紀)

東浩紀

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』、『訂正する力』など。
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