【 #ゲンロン友の声】観光客の哲学にとってテロリズムとは

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『ゲンロン0』が待ち遠しくて仕方ないです。ところで、観光客の哲学にとって、テロリズムや現実のテロ事件とはどのように解釈されうるのでしょうか。これを書いている今(3/22)、ロンドンでテロが発生したと速報が来ました。国内外ともにすっかり暗くなってしまった今、『ゲンロン』シリーズを読み続けることでなんとか活力を得ていきたいと思う今日この頃です。(埼玉県, 20代男性, 友の会会員)
 応援、ありがとうございます。テロについてですが、今回のロンドンテロについてはまだ詳細がわかりません。ただ、この数年見られた顕著な傾向は、たしかにテロは起きているのだけど、その動機を見ると驚くほど「浅い」という現象だったと思います。ホームグロウン・テロリストやローンウルフと呼ばれる人々は、明確な組織的背景なく、個人でISISの動画などにたどり着き、個人的な不満をぶつけるかたちでテロ行為に身を投じます。そのような行為の理由を分析するためには、従来の政治思想の枠組みそのものを疑わなければならない。——そんな話を『ゲンロン0』ではしています。ご期待ください。(東浩紀)

東浩紀

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』、『訂正する力』など。
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