【『ゲンロン12』先行掲載】無料は世界をよくするのか(部分)|飯田泰之+井上智洋+東浩紀

初出:2021年9月17日刊行『ゲンロン12』
『ゲンロン』の最新刊『ゲンロン12』が、9月17日に刊行されます。今号の特集「無料とはなにか」は、『ゲンロン』初の経済特集。無料のものが溢れる現代で広がる格差。無料はほんとうにひとを幸せにしてくれるのでしょうか。さまざまな專門をもつ著者による論考と座談会から考えます。
「ゲンロンα」では、本特集内の座談会「無料は世界をよくするのか」から一部を先行無料公開いたします。参加者は経済学者の飯田泰之さんと井上智洋さん、そして東浩紀です。プラットフォーム企業が貨幣すら発行するこの時代に、貨幣が従来もっていた匿名性は担保されるのでしょうか。(編集部)

 

★1 フェイスブックが仮想通貨の発行計画を発表したのは2019年6月。当初は「リブラ」(Libra)という名称で、「2020年に世界中のユーザーがオンラインで金融取引を行うことが可能になる」と宣言し大きな話題となった。しかし、世界中の金融当局や中央銀行、消費者団体から強く警戒され、その名を「ディエム」に変え、システムも大幅に改変。批判の強かった複数の法定通貨を合わせた通貨バスケット方式を取りやめ、単一通貨と連動する仕組みへと見直された。米国CNBCによると、2021年後半に試験運用が行われる計画だという。

 


 

新刊案内
 
『ゲンロン12』はシリーズ初の経済特集。楠木建氏、鹿島茂氏、桜井英治氏、飯田泰之氏、井上智洋氏、小川さやか氏と、さまざまなジャンルの専門家をお招きしました。フリーコンテンツがあふれる一方で、かつてなく格差が広がる経済の矛盾を考えます。特集以外の誌面も充実。民主主義をめぐる宇野重規氏と東浩紀の対談「観光客の民主主義は可能か」をはじめ、東の『観光客の哲学』の新章にあたる8万字の書き下ろし「訂正可能性の哲学、あるいは新しい公共性について」、前号でも好評だった柳美里氏によるエッセイ「ステイホーム中の家出」の続篇、鈴木忠志氏がコロナ禍に野菜づくりを始めた理由を伺ったインタビューなど、アクチュアルな記事が満載です。ボリュームも500頁に迫り、過去最大となりました。
 
 以下に目次を公開いたします。9月16日(木)までにゲンロンショップにてご購入いただく、あるいは「11期残り1ヶ月+12期割引入会セット」に申し込んでいただくと、東浩紀による直筆サインがついた『ゲンロン12』をお届けいたします。同期間中は国内送料も無料に。リンクよりぜひご利用ください。
 
【期間限定】ゲンロン友の会11期残り1ヶ月+12期割引入会セット
 
『ゲンロン12』を購入する

 

 

 

[目次]
[対談]観光客の民主主義は可能か 宇野重規+東浩紀
[巻頭論文]訂正可能性の哲学、あるいは新しい公共性について 東浩紀
[特別掲載]ステイホーム中の家出 2 前篇 柳美里
 
特集 「無料とはなにか」
[論考]無料についての断章 楠木建
[論考]無料はパリから始まった 1836年の広告革命 鹿島茂
[論考]贈与の境界、境界の贈与 桜井英治
 
[座談会]無料は世界をよくするのか 飯田泰之+井上智洋+東浩紀
 
[論考]フリーと多様性は共存するか 飯田泰之
[論考]無料フリーではなく自由フリーを 反緊縮加速主義とはなにか 井上智洋
[論考]反自動化経済論 無料はユートピアをつくらない 小川さやか
 
[特別掲載]ショベルカーとギリシア 鈴木忠志 聞き手=東浩紀+上田洋子
 
[随想]所有を夢みて ウティット・へーマムーン 訳=福冨渉
[論考]死の記憶と忘却 タイ現代文学ノート特別篇 福冨渉
 
ゲンロンの目
「ステイホーム」試論 記録された現実から見えること 石戸諭
環八のドン・キホーテと都市生活者の受難 高山羽根子
逃げる写真 竹内万里子
 
[論考]理論と冷戦 第3回 ハイデガー、フーコー、イラン革命 イ・アレックス・テックァン 訳=鍵谷怜
[論考]芸術と宇宙技芸 第3回 山水画の論理にむけて ユク・ホイ 訳=伊勢康平
 
[創作]虹霓こうげいのかたがわ 第4回ゲンロンSF新人賞受賞作 榛見あきる 解題=大森望
[創作]ディスクロニアの鳩時計 午後の部XI 海猫沢めろん
 
コラム
イスラエルの日常、ときどき非日常 #1 現代イスラエル人とは誰か 山森みか
国威発揚の回顧と展望 #3 「主義」から遠く離れて 辻田真佐憲
イスラームななめ読み #5 ノックの作法と秘する文化 松山洋平
ロシア語で旅する世界 #11 アート・アクティヴィズムとポスト・ソ連のロシア社会 上田洋子

 

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エコノミスト。1975年東京生まれ。埼玉県日高市育ち。東京大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了、博士課程単位取得中退、駒澤大学経済学部専任講師・准教授を経て2013年より明治大学政治経済学部准教授。著書に『マクロ経済学の核心』(光文社新書)、『経済学講義』(ちくま新書)、『日本史に学ぶマネーの論理』(PHP研究所)など。

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駒澤大学経済学部准教授、早稲田大学非常勤講師、慶應義塾大学SFC研究所上席研究員。博士(経済学)。2011年に早稲田大学大学院経済学研究科で博士号を取得。早稲田大学政治経済学部助教、駒澤大学経済学部講師を経て、2017年より同大学准教授。専門はマクロ経済学。最近は人工知能が経済に与える影響について論じることが多い。著書に著書に『新しいJavaの教科書』(ソフトバンククリエイティブ)、『人工知能と経済の未来』(文春新書)、『ヘリコプターマネー』(日本経済新聞出版社)、『人工超知能』(秀和システム)、『AI時代の新・ベーシックインカム論』(光文社新書)、『純粋機械化経済』(日本経済新聞出版社)、『MMT』(講談社選書メチエ)などがある。

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1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。専門は哲学、表象文化論、情報社会論。著書に『存在論的、郵便的』(新潮社、第21回サントリー学芸賞 思想・歴史部門)、『動物化するポストモダン』(講談社現代新書)、『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社、第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』(講談社)、『ゲンロン0 観光客の哲学』(ゲンロン、第71回毎日出版文化賞 人文・社会部門)、『ゆるく考える』(河出書房新社)、『ゲンロン戦記』(中公新書ラクレ)ほか多数。

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